諸君は「ジャングルマン」を知っているか。
大学生の頃、しばしば夜釣りで夜を明かした僕は、明朝5時の日の出とともに、帰り道の寂れた住宅街で煌々と光る自販機に足を止めた。
そのときいつも飲んでいたのが、このジャングルマンなる飲み物だった。
実にチェリオらしい、心地よくアホな名前と安っぽい味わいをした炭酸飲料だ。
ご本人曰く、
「強炭酸、低カロリーのサバイバルエナジードリンク」
だそうで、どういうわけか何年も前から陸海空の自衛隊とパッケージのコラボレーションをしている。
一方、チェリオはこんな飲み物も出している。
「ライフガード」。
こちらの方が有名なので、知っている人は多いだろう。
そのまま蛍光ペンのインクとして使えるんじゃないかという眩いビタミンカラーをしたこれは、やはりご本人曰く
「炭酸控えめ、マイルドな飲み心地のバイオニック(超生命体)飲料」
だそうだ。
さて。
ところで、これら二つの飲み物、見た目も味もよく似すぎている。
注ぎ比べてみても全く見分けがつかないくらいだ。

パッケージによると、どうやらジャングルマンの方が強炭酸らしいということはわかる。
だが、それ以外に違いが果たしてあるのだろうか。
そして特筆すべきことは、チェリオの自販機ではジャングルマンは100円ながら、ライフガードは150円で売られているということだ。
1.5倍もの値段の差が、一体どこに隠されているのだろう。

飲み比べ
というわけで、実際に両者を飲み比べてみることにした。
どちらがどちらかわからない状態で飲み、味だけで当てられるかを試すブラインドテストである。
最初は驚くほど区別がつかなかった。
どちらもあの独特な、栄養ドリンクのような甘酸っぱい味がする。
色も香りも全く同じ方向性だ。
少なくとも1.5倍の価格差を感じさせる要素はない。
しかし、何度も交互に飲み比べているうちに、だんだんと違いがわかってきた。
まず、ジャングルマンの方が甘みがさっぱりしている。
口の中に残らず、すんなりと消えていく。
一方のライフガードは、甘みがまったりとしている。
そして何より、はちみつを思わせる濃厚な風味がしっかりと口に残る。
ジャングルマンに比べて、後味にもう一層の甘い香りが重なっているような感じだ。
この違いを一度つかんでしまうと、面白いことに見分けがつくようになる。
最初はほとんど同じ味に感じられた二つの飲み物を、最終的にはブラインドテストでも判別できるようになったのだ。
ちなみに妻にも飲んでもらったところ、ジャングルマンの方が炭酸が強いと言っていた。
パッケージに書かれた「強炭酸」という売り文句は、まんざら嘘でもなさそうだ。
原材料
では、実際に何が入っているのだろうか。
ボトルの裏側を見比べてみると、二つの飲み物の違いが見えてきた。

まず、ライフガードには「砂糖」「精製はちみつ」「調製ローヤルゼリー」が入っている。

対してジャングルマンには、そのいずれも入っていない。
その代わり、「アセスルファムK」や「アスパルテーム」といった人工甘味料が使われている。
こちらは糖分を抑えながら甘みを出す、カロリーオフの設計になっているわけだ。
一方、両方に共通しているのは、カフェインや各種ビタミン、アミノ酸など。
いかにもエナジードリンクらしい成分がずらりと並んでいる。
大まかにまとめると、こうなる。
| 原材料・成分 | ライフガード | ジャングルマン |
|---|---|---|
| 砂糖 | あり | なし |
| 果糖ぶどう糖液糖 | あり | あり |
| はちみつ | あり | なし |
| ローヤルゼリー | あり | なし |
| 人工甘味料 | なし | あり |
| カフェイン | あり | あり |
| ビタミン・アミノ酸類 | あり | あり |
| コエンザイムQ10 | なし | あり |
なぜかジャングルマンにだけコエンザイムQ10が入っているが、これは何???
ともかく、これなら飲み比べで感じた違いにも説明がつく。
ライフガードの方がまったりと甘いのは、実際にはちみつが使われているからだ。
逆にジャングルマンの甘みがすっきりしているのは、人工甘味料を使っているからなのだ。
カロリーが2倍も違う
もう一つ注目したいのが栄養成分だ。
二つのボトルの表示を比較すると、こんなことになっている。
| 栄養成分(100mlあたり) | ライフガード | ジャングルマン |
|---|---|---|
| エネルギー | 37kcal | 18kcal |
| たんぱく質 | 0g | 0g |
| 脂質 | 0g | 0g |
| 炭水化物 | 9.2g | 4.5g |
| 食塩相当量 | 0.06g | 0.05g |
なんと、ライフガードはジャングルマンの約2倍のカロリーがあるのだ!
これだけ味が似ているのに、カロリーが倍も違うとは。
間違いなく、この部分こそが今回わかった最も大きな差だろう。
結局、50円の差は何なのか
さて、ここまで飲み比べてみた結論だが、僕としてはライフガードの方が味の面では上位互換だと思った。
もっとも、すっきりとした後味や強めの炭酸が好きなら、むしろジャングルマンの方が好みに合うかもしれない。
おまけにカロリーも半分程度である。
とはいえ、二つの味の基本的な方向性がここまで似ていて、ライフガードにははちみつとローヤルゼリーが加えられていることを考えると、僕にはどうしても、ジャングルマンを豪華にしたバージョンがライフガードなのではないかと思えてくる。
あるいは、廉価版のライフガードがジャングルマンとも言えるのか?
だとすると、チェリオの自販機における100円と150円の差。
あの50円は、ひょっとすると蜂蜜代なのかもしれない。